早稲田大学受験に独学を選んだ理由と、僕があの時必要だった予備校

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センセイプレイスの原です。

突然ですが、僕は今、このセンセイプレイスという教育系スタートアップで働いています。

「予備校は自分には必要ないとは感じるけど、独学は不安で踏み出せない」という受験生が、今も大量に生まれまくっているからです。

当時の自分は完全にそれでした。独学受験が未知でグレーすぎて踏み出せないうちの1人。

ただ、当時の僕は、ド田舎だし浪人できないし10か月で偏差値20上げなきゃいけないしと、色んなことで相当追い込まれる理由があったからたまたま独学に踏み切れた。

正直、自分で選んで踏み出したという感じではなかったです。

だから、多くの受験生が予備校とのズレを感じながらも予備校に行く気持ちも理解できるし、実際、めちゃくちゃ迷うと思う。

ただ、伝えたいのは、もしも、予備校に行くことに違和感を感じているのにそれを押し殺して予備校に行くのは絶対に良いことではない、ということ。

いくら不安でも、そこには打ち勝った方がいいし、後悔しないようにちゃんと自分で選択した方が良い。

なので、これからは記事を通して、受験生が少しでも”理由を持って”「独学か予備校か」、自分の道を選択できるように、「独学」と「授業型の予備校」とを徹底的に比較していきたいと思います。

また、今は、自分の独学受験で辛かったことも振り返った上で、独学よりも進んだ選択肢を提示できそうだとも思ってます。

それが今、普通に他にもやりたいことはあるけどそれを置いて、この会社で働いている理由です。

いい加減、この受験業界の状況は少しでも変わった方が良いと思う。

以下では、これらをふまえた上で、当時の自分みたいな受験生に向けつつ話していきたいと思います。


目次


受験手段選びで考えた3つの要素

当時の僕は「予備校に入らないと不利な要素があるかどうかは調べた上で、独学の方がよさそうなら独学にしよう!」と、思いました。

それで、その調べた要素はというと、

  • 授業
  • 場所
  • 個別のアドバイス

の3つです。

少し自分の情報を話します。

高3春の僕はひどい成績でした。名前を書けば受かるレベルのド田舎の中高一貫校に入り、中2くらいから真面目に授業を受けなくなり高校受験もしなかったので、高3春は偏差値は20は上げなきゃいけない状況でした。

ただ、それでも留年はしたくないので定期テスト前に急いで全部の範囲を自学したりしていたら案外乗りきれてもいたので、経験から、「これ、受験も独学でやったほうが早いんじゃないか?」とは思っていました。

けど、周りは普通にみんな予備校に行くので、軽い気持ちで独学に踏み切るのは不安。

しかし、当時のぼくは「授業・場所・個別のアドバイス」がまかなえるなら独学でいいと思っていました。

むしろ、これらの要素で独学の方が自分に合っているなら、他の受験生よりも伸びて逆転する理由になる、と思っていました。

この要素は今でも正しいと思うし、実際にそれでなんとかなった(10ヶ月くらいの勉強で偏差値は20くらい伸びて合格した)ので、以下ではこの3つの要素それぞれで、独学と予備校を比較していきます。



場所


独学と予備校の大きく違うポイントは、まず、”場所”です。

受験において”場所”というのは、勉強時間にダイレクトにかかわってくるとても重要な要素です。

受験勉強は効率面もとても大事ですが、最適な勉強場所を選び、一定の勉強時間は確保しないと勝負の土台に立てないんです。

その点、予備校には「勉強するための自習室」としての機能があります。

これは勉強するのに1人だとどうしても難しい受験生にとっては、けっこう役に立つ要素です。

実際、独学を踏みとどまっている受験生の理由としては「一人だとどうしても怠けちゃいそう」というのがあると思います。

僕も当時はかなりあって、小6から高3春まで永遠にネトゲの日々だった生活から一転して一人で勉強できるかどうかは未知数で不安でした。

ただ、これって理由を辿れば、「自室での勉強が難しい」っていう問題なんですよね。予備校でも勉強はどのみち一人でやるわけだし。

なので、具体的に、自宅学習と比べた時の予備校・自習室のメリットを出して、その差が埋められないか考えてみましょう

まず、「予備校のメリット」 としては、

自分の部屋で勉強するのと比べた、予備校(場所)のメリット

  • ベッドやマンガなどの「誘惑」がない。
  • 他人がいるので「緊張感」が自然と作れる。
  • 「孤独」じゃない。

の、3つが重要になります。

これらの「誘惑」「緊張感」「孤独」の3つはどんな手段でも良いのでつぶさないと、勉強時間がかなり不安定になってくるなと、実体験&今の受験生を見ていて思います。

じゃあ、僕がこれらの予備校のメリット(=自分の部屋のデメリット)をどうつぶしたかというと、

独学の”場所”における、3つのデメリット潰し

  • 誘惑問題→ベッドは勉強机からなるべく離れたところに配置を変え(それでだめなら布団も検討)、マンガとかの誘惑は段ボールに封印し、スマホは玄関に置いた
  • 緊張感問題→自室でどうしてもできない時は家族のいるリビングでイヤホンをしてやった。休日は図書館。
  • 孤独問題→家族と話した。昔のネトゲ仲間のボイスチャット(Skype,TeamSpeakなど)に混ざったりもした。あと猫。

という感じです。

スマホがないと調べ物には困りましたが(日本史とかは特に)、勉強中の調べ物はおばあちゃんがから電子辞書を借りてなんとかしました。電子辞書にものっていなければ、玄関まで行って、”必ず立ったまま”スマホで調べてました(必要以上にダラダラしなくなる)。

という風に、自室で勉強する際の不安要素はわりとなんとかなりました。

これらの不安要素さえクリアすればむしろ、自分で自由に時間を使えるのはかなり効率的で、独学で逆転合格したのもこれに依るところがかなり大きいです。

また、「自宅で独学するメリット」 は他にもあります。

自宅で独学するメリット

  • 予備校・自習室に行くまでの時間がはぶける。
  • エアコンや窓など、部屋の室温を自分で調節できる。
  • 冷蔵庫やシャワーなどを自由なタイミングで使える。

などでした。

特に、室温とか湿度とかは集中力にかなり関わるので、自由に調節できるのはめちゃくちゃ地味ですが大事でした。

また、通学時間は地方の生徒にとってはバカになりません。毎日30分あるだけで1年で182時間になります。182時間あれば、参考書とか3冊くらい終わります。電車の中で単語帳をやったりするにせよ、座って集中してやる勉強の方が効率はやっぱり良いです。

以上が、「場所」における独学と予備校の違いです。

その上で大事なことが、「一人でやること」に不安を持っているならそれは正常なことだということです。

というのも、自室で一人でやるというのは、「自分の行動を自分のコントロールにまかせる」ということで、これは基本、学校では学ばないことです。それに、現役生が学校に行った後に夜だけ自室でやるのならまだしも、土日とか浪人生とかは、どうしてもペースが崩れる時が出てくると思います。

ただ本当に、場所は自分から動けば割とどうとでもなります。

勉強の環境は自分から動いて探して整えてみましょう。たとえば、上で書いた自室のデメリットつぶしもそうだし、自習室が近くにあれば借りるのも良いし、それがなくてもたとえば、図書館カフェファミレス公民館リビング学校の教室を開放してもらうなどもあります。

それでもダメなときは、僕はプリント一枚とイヤホンだけ持っていって外を散歩しながら勉強してました。自分から動けば本当にどうとでもなったりするし、僕が受験生のときは、案外そうやって環境を整えるのが楽しかったです。かつ、大学生の今に独学する時もこういう経験はだいぶ役に立ってます。

環境が整いさえすれば独学は快適なので、不安を克服するためにもちょっと頑張ってみると良いと思います。

まとめ


独学した方が良い人

  • 集中さえすれば一人でやる方が快適な人
  • 勉強時間を最大限取れるよう、時間を自由に使いたい人
  • 予備校が家から遠い人

予備校を一考するべき人

  • どうしても、先生に監視されないとコントロールできない人
  • どうしても、周りに受験生がいないとコントロールできない人

ただ、大半の人は自分から動きさえすればどうとでもなる場合が多く、なれさえすれば独学の方が自由なので有利だし快適になったりする。



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授業


予備校と独学との大きな違い二つめは、当たり前なことですが、「授業」の有無です。

予備校を選ぶ上でみんな思う疑問が、

「結局、授業ってある方が良いの?ないほうが良いの?」

だと思います。

僕は、これは「人によって違う」と考えているので、それぞれがちゃんと考えて選択できるように、メリット・デメリットを比較していきます。

まず、独学と比べた時の「授業のメリット」 ですが、大きくは、


授業型予備校の「授業」のメリット

  • 生の授業は「緊張感」や「強制力」がある
  • 参考書と比べて、「受験形式の変更」などの情報がすぐ更新される
  • 授業後に質問にいける

の3つです。
まず、ふつう独学する時に心配なことって「参考書って授業の劣化版なんじゃ?結局、授業って聞いたほうが良いんじゃないの?そこで不利になるのが不安だな…」って問題だと思います。僕が予備校に行く必要性を考えた時も、ここの不安は大きかったです。

ただ、これに関していえるのは、少なくとも内容については、授業と参考書はほぼ変わりません。 解説が細かい授業や参考書もあれば、大雑把な授業や参考書もあり、どっちがどうとかは言えません。

ただ、売れている参考書は、基本的には一流の予備校講師が執筆しているので、並みの予備校講師の授業よりはずっとわかりやすいと思います。

それをふまえた上で、二つ目三つ目のメリットも大事ですが、授業のメリットでやっぱり重要なのは一つ目の「緊張感」・「強制力」だと思います。

最近の参考書でいうと、「聞きながら学べるCD付き!」とか「動画をアプリから無料で視聴可能!」なんかをうりにしているものがかなり増えてきたので、授業の「緊張感」や「強制力」以外の要素は独学でもだいぶまかなえるようになってきました。

しかし、目の前で先生がしゃべったり、「じゃあこの問題、キミ!答えてみて!」というようなことはやっぱり授業特有です。それに授業って時間も決まってるし、サボりにくいです。

なので、独学でおぎなえない授業のメリットは「緊張感」「強制力」になってきていると思います。
ここは、人によってはめちゃくちゃ大事なメリットですね。

では逆に、「独学のメリット」 はなんなのかというと、

独学のメリット

  • 必要なら立ち止まって考えたり先に進んだりできる
  • 復習がしやすい
  • 良くも悪くも予備校講師に左右されない

3点が、独学受験をした身としては、重要だったなと感じます。

一つ目は要するに、「自分で勉強のペースを握れる」ということ。

たとえば授業だと、「この部分、分かんないんだけど…」とか「そんなに細かい解説いらないんだけど…」とか、思ったときに立ち止まったり進んだりできないということ。

なので、授業をうまく活用できず、授業の時には「ノートをうつしてるだけ」とか「ただなんとなく席に座っているだけ」という風な生徒がどうしても生まれます。

あなたがもしこうなっているなら、できているところは先に先にどんどん進めたり、分からないときはちゃんと立ち止まって理解した方が良い。かつ、そういう勉強の仕方なら、授業よりは参考書の方が向いています。

二つ目の「復習」も、参考書の方が確実にしやすいなと思います。

授業に関する受験生あるあるが、「授業がどんどん入ってきて、復習の時間が取れない」という問題です。僕もめっちゃあったんですが、これは受験においてはかなり致命的で、というのも受験は「確実に定着した知識をどれだけつけられるか」というのが勝敗を大きく分ける戦いだからです。

「なんとなく見たことある」では、問題はたいてい答えられない。…んですが、復習ができなくても、授業のペースに合わせてどんどん先に進めてしまうので、そういう「見たことあるだけの知識」ばかりが大量に溜まりがちです。

「授業は受けてるけど、英単語や英文法にけっこう穴がある」という人はこの可能性が高い。マジで注意!

それだと模試などではなかなか点数が出ないはずで、それなら割り切って一から参考書でやっていくほうが、使える知識が少しでも増えるぶん伸びると思います。

三つ目は、良くも悪くも予備校講師に左右されないことです。 (これは個人の性格で変わると思う)

これは要するに、「予備校講師の授業より参考書学習のほうがリスクが少ないんじゃないか」という話です。

授業とは、ドライに言うなら「自分の貴重な受験期の時間を講師にあずけてまかせる」ということだと思います。

僕が受験生のときは、これを結構リスクに感じました。たとえば、授業内容が自分が学びたいものとズレている時とか、単純にあんまりよくない講師の時とか。

そういう時にも、個人の勉強時間は削られていきます。学校の授業でも多かれ少なかれあったと思う。これは、先生がいくら一生懸命でも、15人30人に向けて話しているとどうしてもズレは生まれるので、しょうがない。構造的な問題です。

じゃあ、よい講師だった時に、そのリスクに見合うメリットがあるのかというと、実際そんなこともないです。

授業と参考書の違いはほんとうに微々たるものです。たとえば授業で「その教科を好きになるきっかけになった」とか「解説が語り口調で分かりやすい」とかはありますが、内容は授業と参考書では確実に大きくは変わりません。

なんなら、有名な参考書はたいていは一流の予備校講師が時間をかけて作っているものなので、並みの授業よりはそっちの方がまとまってます。これは、受験期に参考書をやってみて初めて実感しました(というか、本でまかなえちゃうとかアリかよという心境だった)。

それなら、「あまりイケてない講師に当たるリスクとか、自分が求める内容を授業でやってくれないリスクをわざわざとる必要はないはず」 、と当時の僕は思いました。

もしあなたが現時点でもB判定やA判定が安定しているならわざわざそのペースを崩す方がリスクになるかもしれませんが、そうではないなら、不安は常につきまとうにせよ割り切って独学する方が可能性は高いと思います。

まとめ

独学した方が良い人

  • 逆転合格層の人
  • 復習して着実に知識を身に付けていく方が、勉強が楽しい人
  • 1人で勉強していく方がストレスがない人

予備校を一考するべき人

  • どうしても、「緊張感」や「強制力」が必要な人
  • 現時点でA判定・B判定が安定していて、今のペースを崩す方がリスクに感じる人
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個別のアドバイス


この個別のアドバイスとは、「勉強内容で分からないところがあった時に先生やチューターが個別で教えてくれる」というサポートのことを指します。

この個別のアドバイスについても、独学者は不利になるかもしれないとヒヤヒヤしている部分だと思うので、独学と予備校で比較してみます。

まず、予備校は基本的にどんな個別のアドバイスをしてくれるかというと、

  • 授業終わりに講師に簡単に聞きに行ける
  • 大学生のチューターに聞きに行ける

という感じです。

実際に予備校がどのくらいのサポートをしてくれるかというと、それは学校の雰囲気をそのまま思い出してくれれば良いと思います。たとえば、授業終わりの休み時間に先生に聞きに行ったら、簡単にアドバイスしてくれるみたいな感じ。大学生のチューターに関しても、部活の先輩に聞きに行くみたいな感じです。

ただ、そもそも受験の時にこういう質問をすることって、たいていは具体的な勉強内容のつまづきとかですよね。たとえば、英語なら「この英文にでてくる”that”ってどんな用法の文法が使われてるの?」とか、「この問題って、なんでこういう解答になるの?」とか。

ただ、大前提として、こういう具体的な勉強内容は調べさえすれば、ほぼ確実に自力でなんとかなるので大丈夫です。

そういう勉強内容の疑問は、たいていは一流の著者が参考書を通してかなり丁寧に解説してくれているし、グーグルで検索すれば、英語教師のめちゃくちゃ分かりやすいブログとか、そういう同じ疑問をもった受験生が質問したYahoo知恵袋とかいくらでもでてきます。

参考書とインターネットのおかげで、受験に関しては本当に何とかなる世の中になったし、そんで、1人でできることは1人でしちゃった方が純粋に早いです。逆に、どれだけ探しても出てこないことなら、それは少なくとも合格に関してはほぼ関係ないことなので、気になるのはスゴく分かるけどノートに書き出しておくくらいにして、先に進みましょう。

というか、こういうレベルのことを自分で解決できる人じゃないと早稲田レベルの逆転合格はできないと思います。実際、独学で合格している人は「なんでも、とりあえず自力でやってみよう」という人ばかりです。

なのでそういう人たちは、スゴく頭が良いというわけではないけど、受験においてマジで無数にある解決すべき問題点を他の人よりも放置しない。だから、他の人よりも成長が早いんだと思います。

なので受験生が本当に必要なアドバイスは、勉強内容の表面的なものからもっと先に進んだアドバイスなんだと思います。

これは、たとえば野球なら「ルールや分かりやすいコツなどの知識」ではなくて、「プロがバットを振る時にはどういう感覚で振っていて、かつ、〇〇な状況が来たときにはどういう対処をするのか」などのこと。自分でやってみた上でそれでもどうしてもぶつかるような、決まった答えがない問題のことです。

こういうのはなかなかサクっと5分くらいで伝えるのは難しく、お互いがしゃべって理解を確かめながら、その理解を調整するようなアドバイスをするしかありません。受験なら「英語を読める人ってどういう感覚で読んでるの?」を話し合うみたいなことです。これはもう一方的に先生が伝えるのには限界がある。

つまり、受験は単純な知識量の勝負ではなく、実はこういうところを攻略できるかでめちゃくちゃ差がついているということ。単語や一問一答の知識はあるのに伸びないという人がいるなら特に心配。だから、”個別のアドバイス”を求めるなら受験生はここに求めるべきだと思います。

その上で、僕はこの”個別のアドバイス”に関して言えば、ぶっちゃけあまり予備校に期待しないように考えておくべき、と思っています。

というのも理由があって、この個別のアドバイスに関しては予備校の構造上、アドバイスがどうしても表面上のものになってしまい実際に役に立つアドバイスにならない、という問題を抱えていると思うからです。

僕はこれ、予備校側の事情もめちゃくちゃ分かるけど、受験生にとってはかなりやばいことだろうなと思ってます。なので、理由も含めて説明します。

ではまず、そもそもこの欠陥がなぜ起こるかという話です。それは一言でいえば、「生徒一人一人とちゃんとコミュニケーションが取れないから」 です。

このコミュニケーション不足はどうしても起こってしまうんですが、それがなぜ起こるかというと、

  • 先生1人に対して生徒が多すぎて、コミュニケーションの時間が取れないから
  • 授業だとどうしても一方通行になってしまい、生徒がどれくらい理解しているかとかどこでつまづいているかとか、先生側から全然分からないから

です。

「生徒の数に対する人手不足&先生は授業をしなくちゃいけない」というのは予備校の構造上の問題でどうしようもないことで、ほぼ確実に起こります。講師1人の力ではどうにもならない。僕が「予備校の事情もめちゃくちゃ分かる」と言ったのはそのためです。

では、「生徒とのコミュニケーション不足」が起こることが、なぜ問題になるのか。

それは、「生徒が勉強でつまづいているところ」とか「生徒の実際の暗記量」とか「生徒の性格」とか「考え方の傾向」などを先生が生徒とコミュニケーションをとってちゃんと把握していないと、アドバイスの質が絶対にガクッと落ちるからです。

先生をやってみて思うのですが、アドバイスってめちゃくちゃ難しいです。

たとえば、ポンッと「先生!英語の読み方が分かりません!」と言われたとしても、もっと細かくつまづいている部分とか原因とかを教えてもらえないと、具体的なアドバイスのしようがない。なのでどうしても、参考書に載っているベタなこととかググれば出てくる一般論とかのアドバイスになってしまう。それなら、参考書やグーグルで調べれば良いしそっちのほうが早かったり確実だったりします。

また、当たり前で絶望的なことなんですが、生徒が質問して先生が簡単に答えるというこういうやり方だと、「生徒が自覚している問題」についてのアドバイスしかできません。

要するに、「本ッ当につまづいているところは自分自身じゃ分からない」ということです。
僕は、受験生が最も求めるべきサポートは明らかにここだと思います。

本来の指導者の役割とは、生徒の状況や性格を良く把握したうえで、「生徒は気付いていないけど、おそらくここに原因を抱えているからつまづいているんじゃないだろうか」と問題を見つけて調整してあげることのはず。勉強でもスポーツでもそうだと思います。

ただこれは、先生と生徒がちゃんとコミュニケーションを取っていないとできないことです。ただそれがスポーツなら、フォームや動きが外からでも目で見えるからまだなんとかなるんですが、勉強は頭の中のことなのでしゃべらないとマジでどうしようもない。

テストの解答や成績などのデータだけではマジで難しいし、授業をしてるだけだとなおさらサッパリ分からん。的確なアドバイスは、勉強内容や勉強の捉え方などできっちりコミュニケーションをとってはじめてできることです。ただ、予備校にはその仕組みがなく、問題なんじゃないだろうかということです。

…という、以上のことが、予備校での個別のアドバイスをあまりあてにしない方が良いよ、と思う理由です。

が、その上で、ここで大事なことが、「予備校講師にもよい人は絶対にいる」ということです。

大切なんですが、良い予備校講師は全国に絶対います。そして、良い先生に出会えることはマジで貴重なことです。それだけで人生が変わっちゃうことは普通にあります。

ただ、人生の中で恩師だと思える人ってたいていは、「1:1で話す時間を個人的に取ってくれて、生徒の意見を聞いて相手の状況を深く知った上で親身にアドバイスしてくれた人」だったんじゃないかと思います。

僕が中高生だった時の良い先生とかサッカーのコーチとかは、思い返すと全員そうでした。ちゃんとアドバイスするなら結局はこういうことをやっているんだろうと思います。けれど、予備校はそういうサポートがなかなかしにくい仕組みというジレンマがある、というのが問題なんです。

だから、受験生は、「(こういうことをやってくれる予備校講師はそこそこいるけど、ただそれは、個人的に・時間外に・一部の生徒にしかできない仕組みになっているから)個別のアドバイスは予備校に期待しないようにする」と考えておくべきです。

(そう思っていないと、表面上のアドバイスを聞いて満足して本当の問題を放置する受験生になったりします)

なので、ここのサポートを求めて予備校に行くのは得策じゃないはずだし、独学者もここで不利に思う必要は全くないよ、と思います。

まとめ

独学した方が良い人

  • インターネットや参考書など、自分で調べる手段がある人

予備校を一考するべき人

  • この項目に関してはいない

先生から簡単なアドバイスをもらうことはもちろん完全に無駄なことではないけど、パッと言われたくらいのアドバイスなら自分で調べられる場合が多く、独学にせよ予備校にせよ、自分の問題は自力で考えて気付いて乗り越えるしかない。

また、ちょっと話はそれるんですが、受験は、「自分の力で気付いて調べて考えてを繰り返す」しか勝つ道はないです。独学だろうが予備校だろうが、受かる人に共通することがこれだと思います。

というのも、受験は「頭の中の勝負」で、頭の中って根本的には自分しか知れないので、基本的には常に一人の勝負になるからです。自分から動かないと根本的には何も良くならないし、少なくとも、人より急速に良くなることがない。受験に限らず、ちょっとでも頭を使う勝負であれば、思い当たることは誰にもあるはず。これ、大人もみんなちゃんと言おう。

その点、独学は「これは自分の勝負なんだ」と早い段階から割り切ってスタートできるぶん、有利なくらいだと思います。

ただ、何度も言いますが、独学は楽じゃないし、完璧&快適にはまだまだ程遠い手段だし、気を付けるべきところも多いです。

それを実体験も含めて、次の項目で話します。

その上で、僕がやっていること

これまでは独学と予備校について、実体験ベースで話してきました。

こうやって改めて文字にしても思うけれど、あの時の僕は独学を選んで本当に良かったと思います。
最初は本当に未知数だったけど、1人でやったぶん学んだことがかなりあったし、合格のための理にかなっている理由もたくさんあった。

ただ、その上で、「独学にもつらいことはもちろんあるよ」ってことも伝えておきたいです。

受験というのは「一人でずっと頭の中でやる&受験は人生が左右されるくらい重要なこと」で、実体験的にいうと、これを独りでやるとかなりの不安がつきまといます。常に不安に襲われ続けるわけではないですが、誰でもほぼ確実にメンタルが崩れる時がきて、タイムロスが起こります。

また、「本ッ当につまづいているところは自分自身じゃ分からない」とも言いましたが、それは僕も嫌というほど経験しました。これは独学にせよ予備校に行くにせよどうせぶち当たる問題ですが、一緒に早稲田受験する仲間も、ちゃんと話を聞いてくれる指導者もいなかったので、どうしても遠回りが起こりました。

実際、僕の受験勉強は完璧とはほど遠くて、たとえばでいうと、目をつぶって100m走を走らされてるけど、肌に触れる空気の感覚と周りの足音だけを頼りに死に物狂いで走り切ったらなんか勝ってた 、みたいな感じでした。冗談抜きで。

ただ、その上でめちゃくちゃ大事なことが、目をつぶって100m走するようなことをやったけど、それでも、あの時の僕にとってはそれが一番マシな選択肢だったってことです。

もうひとつ言い方を変えれば、”目をつぶった100m走”をするしかないくらい選択肢に乏しかったということでもあります。

「独学」という選択肢は、これまでも喋ってきたように比較的理にかなった選択肢だし、僕はあの時に独学を選んで自分なりに必死にやって、本当に良かったと思います。

それに、親とかお金とかその他もろもろの事情で独学受験をするしかない人は今も絶対にいる。そういう人は、それが今の自分の最良の選択肢だと思って頑張ってほしい。人間はどうあがいても、その時点でのベストを尽くすしかないんです。

けれど、その上で、当時の僕の独学受験に足りなかったと思うことが、具体的な要素としてあります。

それは、

  • ちゃんと対話をした上で、一方的ではないアドバイスをしてくれる指導者
  • 「自分でやること」の必要性をちゃんと言ってくれて支援してくれる指導者
  • 志望校までの道のりを互いに参考にしあえる仲間

です。

細かく言えばもっとあるけど、これらがあれば現役の時みたいな猛烈な不安もなく走れただろうし、見落としていたつまづきも早いうちに気付けただろうし、一方で「自分でやること」の必要性も早いうちから認識できただろうし、当時よりもかなり最短ルートに近い勉強ができただろうなと思います。

また、僕が今センセイプレイスで働いているのは、上記の3つをサポートできる、受験生にとって必要なものに直で刺さるものを作れてるなと感じてるからです。こういうふうに、地方だろうが都市部だろうが関係なくちゃんと受験勉強をできる環境に早いうちに変えたくて、読みたいマンガとか大学生なりにやりたいこととか脇に置いて、働いているという次第です。

とにかく、受験生にとって、かつ僕自身にとって、純粋に必要だと思えるものを作ってます。

この記事もその一環で、受験生が自分にとって一番良い選択をできるようになれば良いです。

また、その上で少しでも必要だと思う人が自分のために使ってくれれば、サービスを作ってる甲斐があります。使えない人も、こういうサービスが良いと思ったらぜひ応援してください。そういう人たちが増えれば、ちょっとでもこういう受験とか学び方ができる世の中に変わるし、嬉しいし、記事も増えます。

以上。

受験生が少しでも良い選択をできるよう!

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